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元事務次官殺害

「される側」からすればテロと呼ばれる行為が、絶対的に悪いとは思わない。そんなルールは勝者が勝手に都合よく決めた事だからだ。革命禁止とか、ありえないでしょ? もちろん自分が「される側」ならテロも革命も御免こうむる。だけど「する側」なら、有形無形の協力をするだろう。

年金官僚を殺害するというのは、どっちかといえば我々一般庶民は「する側」にシンパシーを感じないでもないのではないだろうか。だが、私はこの犯人とこの犯行を僅かも認められない。

  1. 1件目、妻も殺害している。
  2. 2件目、ターゲットに関係なく妻をほぼ殺害(たまたま死亡しなかっただけ)。
  3. 現在まで報道されている内容から、どう見ても他の家人がいたら殺害した可能性が高い。
  4. 逃げてる。2人殺して1人重傷の責任を取る気が見られない。

以上により、犯行の正当性を認められない。妻を処刑すべき理由があったとは思えないし、あるという主張も犯人側からされていない。3番については「まだ道半ばだから」という可能性もありえるが、だったら犯行声明くらい出せと思う。

なので、たとえ腹の底で「ざまみれ年金エキスパート」と思ったとしても、それは腹の中でねじ伏せて認めないことにする。なぜなら、もし仮に自分が義憤にかられて犯行(善行)を決意したとすると…。

  • ターゲット以外は絶対に傷つけない
  • 目的達成後にその場で自殺する。あるいは自首して死刑になる
  • 世間様にメッセージを投げる(行動で表してもよい)

最低でもこうじゃないかと思うからだ。でないと、法律でも常識でも重大犯罪である殺人を犯してまで訴えたかった事、大義名分が失われるのではないだろうか。だが、この事件の犯人と犯行からは、そういうところがまるで見られない。だから、ただ「殺害したい」が前にあって、「殺害すべき理由」が後から来てるようにしか受け取れない(それと「あいつ殺されてざまあ」と思う事は別の話)。

ただの社会に不満を持った殺人犯だとしても、悪いヤツを殺せば褒めてくれる人がいるかもしれない。普通の人を殺したら秋葉原のアレみたいな評価になる。でも、もし彼がトラックで国会に突っ込んで政治家だけを殺していたら、本人の動機はどうあれ拍手の数は多かったかもしれない。

そういうわけで、なんだろう、これが革命やテロだとすれば「やり口が気に入らない」ってことか。とにかく不愉快だ。

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那珂川 08-11-21 (金) 2:37