- 2006-05-19 (金) 15:08
- 軍事
追想:情報操作の恐ろしさ /新潟
「先般、北朝鮮の弾道ミサイルが能登半島沖に着弾しました」。横浜市内の私鉄駅で、首相官邸に出勤途中の石原信雄・内閣官房副長官(当時)が突然、切り出した。93年6月の朝である。
ふだんは口の堅いこの「政府筋」は、さらに続けて「労働1号。ノドンと読みます。射程は東京まで。核武装の動きもあり、重大な脅威です」。私たち番記者に国家機密を次々明かしていく。
実験は5月29日。警告はイスラエルの情報機関からも寄せられて、海上自衛隊が現場に急行したそうだ。急いで夕刊1面に送った記事が対北朝鮮感情悪化の局面となったのを覚えている。
だが以来、気になっていたことが一つ。なぜ石原氏は自ら話し始めたのか−−。先月、ある新聞に氏の回想録が載った。「記者が誰も私に確認に来ない。知らないんですよ。だから平和ボケした国民の目を覚まさせたくて明かしたんです」
つまり番記者は、情報操作に乗せられ国防論に油を注ぐ役回りをさせられたということか。あれから13年。憲法9条が岐路に立つ。【根本太一】
- 毎日新聞
- 2006年5月16日
? よく意味が分からない。
最近は歳をとったのか、いわゆる左翼チックな人の意見を聞いても、それがまともな意見の態をなしていれば腹も立たなくなったし、積極的に馬鹿にしようという気も起こらなくなりました(ヒステリーが治まってきたのでしょうか)。
ですが、この記事はなんですか。意味わかんないです。本当に社会的エリートの一流紙記者が書いた記事ですか。
当時の件のまとめ
なるべく中立的に書くとこういうことだと思います。
- 某国のミサイル(ロケット)が日本近海に落下
- 某国から事前の通告はなし
- 本件は虚実ではないと言える(某国や某国と親しい勢力が本件の存在を否定していないことから推測できる)
- 本件を受けて、防衛庁長官が本件の存在・該当ミサイル(ロケット)の名称および性能・今後の大量破壊兵器搭載の可能性について発表
問題はどこにあるか
今回取り上げた(槍玉にあげた)記事を書いた記者は、この中の4番(情報を発表したこと)を問題視していると、記事文中から読み取れます。
どこが問題なのかが私には分かりません。また、これが問題であると仮定したとしても、国防論に油を注ぐ
憲法9条が岐路に立つ
とどうつながるのでしょうか。
例えば日本が、“実は弾道弾として転用可能なH-IIロケットを、試験と示威を兼ね、事前通告なしで某国近海へ着弾させた”ことを“政府が国民に発表せず、マスコミの報道も制限した”とかいうのなら軍靴の音どころじゃないです。いつの間にかヤバイ国になってます。
が、まんまそういうことをしてる隣国があるってことを国民に知らせるのがそんなにいけませんか。隠さねばなりませんか。さほど重要ではないのでわざわざ発表するようなことではないですか。「これはきっと何かの間違いで、ロケットも平和利用目的だと思うから心配しないで」と発表すればよかったのでしょうか。
もし結果的にそうだったとしても、“通告なしで弾道弾かもしれないロケットが日本の近くに落ちた”のは事実です。最高の楽観では“普通のロケットがアクシデントにより誤射、しかもコースが日本に向いてしまった”、最悪では“日本に撃ち込もうとした核ミサイルが失敗”となるでしょう。これを「何かの間違いだからきっと問題ない」と発表するのと、「もしかしたらヤバイかもしんないから警戒して」と発表するの、みんなの安全を守る立場の人間ならどちらがより適当でしょうか。たくさんの人の命がかかっていることを忘れてやしませんか。「ミサイル攻撃に違いない、即刻報復攻撃を」とまで先走ったらそりゃ問題かもしれませんが。
もし本当にアクシデントだとしたら、後でまた記者会見して、情報に誤りがあったことを訂正すればいいだけじゃないですか。勝手に楽観視してて、本当に核ミサイル攻撃だったらどうするんですか。後から記者会見で「先ほどのロケットは核攻撃だった。お亡くなりになった数十万の方々に哀悼の意を」とか言ったところで何になるんですか。
余談
中国の保有する核ミサイルのうち数十基が日本向けにセットされており、発射から10分足らずで東京に到達することを、どれだけの人が知っているのでしょうか。そこまで細かくは知れとは言わないけれども、自分たちが文字通り必殺の武器を向けられ続けていることくらいは知っておくべきだと思います。
それを踏まえた上での、だからこそ中国と仲良くしよう、アメリカと手を切って中国と組もう、共にアメリカ帝国に対抗しよう、という考えを頭から馬鹿と決め付ける気はありません。
同様に、北朝鮮のミサイルが飛んできたら恐ろしいから、やられないように親切にしようという考え方も、なしではない思います。逆に、やられたら倍にして返す姿勢を見せればやられずに済むという考え方や、自分たちで対抗するのは嫌だから、強い味方に頼んで(お金を払って)なんとかしてもらおうという考え方もあるでしょう。
結局よくわからなかった
百歩譲って政府の陰謀・情報操作だったとしても(どこがか説明して欲しいが)、当時、それにまんまと乗っかって報道しちゃってるじゃないですか。だったら勝手に懐かしがってる回想なんかじゃなく、訂正記事か反省記事か告発記事を載せればいいじゃないですか。
それとも国防論を語ったり戦わせたり、憲法を変更しようとすること自体がいけない、というのでしょうか。であれば、日本はいつから自由がない国になったのか、この記者に聞いてみたいです。論ずるを禁じ、法を神格化する、どちらも報道に携わる者がすることでしょうか? 回りまわって自己否定になるじゃないですか。だからそれはないですよね。
では、誘導や操作は自分たちの専売特許だからマスコミにこそ気をつけろ、と暗に言っているのでしょうか。それなら馬鹿ですが良い記者です。拍手。
そういうわけで、こいつが何を言いたいのか良く分からなかったんです、という話。
どっかに九条護持理由を論理的に説明してるサイトねえかなあ。
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